RFID(Radio Frequency Identification)は、物流、在庫管理、電子決済、交通管理など幅広い分野で活用されている無線技術です。ベトナムでは、「Circular No. 08/2021/TT-BTTTT」に基づき、ライセンス不要で使用できるRFID機器の技術基準および運用条件が定められています。
本記事では、ベトナムにおけるライセンス不要で利用できるRFID機器の使用可能な周波数帯、最大放射電力、スプリアス発射制限、および追加の運用条件について解説します。
適用周波数帯と技術要件
以下の表は、ベトナムで使用可能なRFIDの周波数帯と対応する技術要件です。
周波数帯 | 最大放射電力 | スプリアス発射制限 | その他の条件 |
115 - 150 kHz | ≤ 60 dBuA/m(10m地点で測定) | QCVN 55:2011/BTTTT | 中心周波数:125 kHz、134.2 kHz |
13.553 - 13.567 MHz | ≤ 60 dBuA/m(10m地点で測定) | QCVN 55:2011/BTTTT | 中心周波数:13.56 MHz(NFCなど) |
433.05 - 434.79 MHz | ≤ 10 mW ERP | QCVN 73:2013/BTTTT | 中心周波数:433.92 MHz - 周波数ホッピング(FHSS)、LBT、Duty Cycle制限、送信電力制御のいずれかを使用すること |
918.4 - 923 MHz | ≤ 500 mW ERP | ITU-R. SM 329-12 | - 最大ホッピングチャネル帯域幅:500 kHz - 周波数ホッピング(FHSS)、LBT、またはDuty Cycle制限のいずれかを使用すること |
2446 - 2454 MHz | ≤ 500 mW EIRP | QCVN 74:2020/BTTTT | - |
型式認証(TA)または適合宣言(DoC)の取得
ライセンス不要のRFID機器であっても、ベトナム市場で販売・使用するためには、ベトナム情報通信省(MIC)の技術基準(QCVN)に適合することを証明する認証が必要となります。
※ Circular No. 08/2021/TT-BTTTTの原文
関連 : ベトナムの電波法とICT無線認証の取得
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